避妊方法である基礎体温法は、毎朝の体温を計測することで排卵日を推測し、安全日と危険日を把握することで避妊確率を高める方法です。
ピルや子宮避妊具とは違い、お金がかからないことや副作用がないので、避妊を始めるために取り掛かりやすく、またパートナーと理解して性行為を行うことで避妊確率を上昇させることができます。
基礎体温法とは、体温に影響が出る諸条件を除いた体温を、毎朝計測することで排卵日を特定する方法です。朝、目が覚めた時に女性用体温計を口の中に入れ体温を計測します。
精子は、性行為後、約6日程度は生きる可能性があると言われており、排卵日とその5日前から性行為を避けることが大切です。
しかし、寝不足や疲れなど、その日の体調にも変化があり、排卵日の周期が微妙に変化することがありますので、確実な避妊方法とは言えません。
基礎体温とは、活動による体温変化を除外し、生命維持に必要な最低限のエネルギーしか消費していない安静状態時の体温のことです。なので朝目覚めたときに計測する必要があります。
このページのもくじ
基礎体温法でわかる排卵日(低温相と高温相)

基礎体温を毎朝計測することで、低温相と高温相が明らかになってきます。
月経周期の前半である約2週間が低温相とよばれます。後半の約2週間が高温相で、低温相よりも約0.3度ほど高いパターンを示します。
この低温相と高温相の境に排卵日が存在します。低温相の最終日から前後2~3日程度の期間を排卵期間と呼び、基本的にはその排卵期間の間に排卵が行われます。
精子の受精能力は6日程度維持される可能性を踏まえて、排卵日の一週間ほど前から、排卵期間を終えるまでの間に、性行為を避けることで避妊確率が上昇するということになります。
ただし、生理周期は人によって異なりますし、またその時の体調やストレスの具合によっても微妙に変化があるものです。
つまり、低温相の最終日が常に一緒という訳ではありませんので、避妊方法の1つの手段として活用していきましょう。
基礎体温でわかる危険日と安全日

では次に、一般的にいう【危険日】と【安全日】はどこからどこまでのことを指しているのでしょうか。それぞれ確認してみましょう。
危険日とは
危険日とは、排卵日の3日前から排卵期間の5日間と、排卵期間が終わったあとの1日を含めた、約9日間~10日間のことを指します。
低温相から高温相へ移行する際を排卵期間と呼び、その間に排卵が起こります。『少し熱っぽいな』と感じた経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。
排卵期は、プロゲステロンという女性ホルモンの分泌されます。卵子が着床しやすいように子宮内膜を厚みを維持するためです。このプロゲステロンは、体温を上昇させる働きもあります。
『危険日は排卵日の3日前から』と解説しましたが、精子の受精能力は6日ほど維持されるケースがあります。
避妊を行う際には排卵日の6日前から性行為を避けることで、より避妊確率が高まります。
安全日とは
安全日とは、排卵後の数日後から、次の月経が来るまでの期間のことを指します。しかし、安全日だからといって必ずしも妊娠しないという訳ではありませんのでご注意ください。
また、生理中は安全日と勘違いされやすいですが、実は安全日ではありません。
上記でも触れましたが、その人の体調の変化によって生理周期が微妙に変化することもあり、生理中に避妊せずに性行為をした際の精子が、卵子と出会い受精する可能性は否定できません。
基礎体温法とオギノ式の違いとは?

基礎体温法とよく間違われやすいオギノ式とは、基礎体温を測らずに、通常の生理周期から排卵日を推測して、排卵日を避けるというリズム法です。
この方法では、体温を計測しないので排卵日が特定しずらく、避妊に失敗する確率がかなり上がることになってしまいます。
オギノ式は、どちらかというと妊娠を目的にしたリズム法です。排卵日を推測し計画的な性行為を行うことで、妊娠する確率を上昇させます。
避妊のためには基礎体温法と他の避妊方法の併用を

避妊方法である基礎体温法は、毎朝の体温を計測することで低温相・高温相を把握します。そこから排卵期間を推測することでおおよその危険日を割り出すことができるという訳です。
しかし、人によって、またその時の体調によって生理周期が微妙に変化することがあるので、確実な避妊方法とは言えません。
コンドームや他の避妊方法のサポートとして、また自身の体調管理の1つの手段として活用していきましょう。