月経困難症とは、生理中に生理(月経)に関連して痛みなど不快な症状を伴うことを指します。
本来、生理はそれほど痛みを伴うものではないケースが多く、生理のたびに激しい痛みなどの症状がある場合は、月経困難症の可能性があります。
月経困難症は、子宮やその周辺組織での異常のケースが多く、放っておくとその背景に潜んでいる重い病気に気付かなかったり悪化する原因となりますので、月経困難症に心当たりがある方は、早めに病院で診察してもらいましょう。
それでは、月経困難症の症状・原因・治療について解説しますので、ぜひ最後までご覧くださいね。
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月経困難症の症状について

月経困難症の症状は主に以下の通りです。
- 腰や脚に広がるような腹部の痛み
- 断続的、または長時間続く痛み
通常、痛みは生理前か生理開始とともに始まり、ゼリー状の経血が出る可能性があります。初めの24時間に最も症状が強く出ることも。月経困難症には次のような症状もあります。
・頭痛
・吐き気と嘔吐
・下痢や便秘などの消化器系の問題
・失神
・乳房の圧痛や腹部膨満など(生理中も続く場合あり)
月経困難症には2つのタイプがある

月経困難症には、機能性月経困難症と、器質性月経困難症の2つの種類があります。
機能性月経困難症 | 器質性月経困難症 | |
主な原因 |
・子宮の過収縮 ・子宮の入り口が狭い |
・子宮の病気 ・卵巣の病気 |
痛む時期 |
月経から1日~2日目が多い |
月経期間ずっと |
痛みの性質 |
・けいれん性 ・周期性 |
・持続性 |
年齢 | 10代~20代前半の比較的若い時期 | 20代後半以降 |
原因 |
機能性月経困難症は、病気が原因ではなく、子宮の入り口が狭いことや、子宮や血管などが過剰に収縮することが原因。 痛みが出やすい時期は月経の1日目~2日目が多く、けいれん性の痛みがみられます。 症状がひどい場合は治療が必要です。 |
器質性月経困難症は、主に子宮や卵子の病気です。 20代後半からが多く、年齢を重なるごとに増加し、月経期間中ずっと痛みが続くことが多い。 子宮内膜症や子宮腺筋症などが原因が多く、自然治癒はしないため、治療が必要です。 |
また、次のように症状の原因からも2つのタイプに別れています。
◆原発性月経困難症
⇒初めての生理やその直後から、原因がわかっていない生理痛
◆続発性月経困難症
⇒子宮腺筋症、子宮内膜症、子宮筋腫などの特定の生殖障害によって引き起こされる生理痛
次に、月経困難症の原因についてみてみましょう。
月経困難症の原因である子宮内膜症や子宮筋腫とは?

20代後半以降の月経困難症は、子宮内膜症や子宮筋腫・子宮腺筋症のケースがあります。
子宮内膜症とは、経血(生理の血)が外に排出されずに逆流してお腹の中の腹膜などにくっついてしまい炎症を起こす病気です。
生理周期によって、子宮の内膜が妊娠の準備のためにだんだんと厚くなっていきます。妊娠をしないとこの厚くなった子宮内膜が剥がれて、経血として膣外に排出されていきます。
しかし、子宮内膜を含む月経血が外に排出されずに、逆流してしまうことがあり、逆流するとお腹の中や腹膜、臓器にくっついて増殖し、子宮内膜に似た組織ができあがることがまれに起こります。その組織が炎症を起きて痛みが起こることを子宮内膜症と呼びます。
将来的に卵巣がんの発症や不妊症になってしまったりする可能性がありますので早めの治療が必要です。
子宮筋腫は子宮の壁の中にできる良性の腫瘍のことです。良性のなので、命に係わるケースは少ないですが、場所や大きさによって月経の量が飢える過多月経や不妊の原因になったりする病気です。
子宮腺筋症は子宮内膜症と同じように、子宮の内膜に似た組織が子宮の壁の中に入り込んでしまう病気です。実は、お産や流産をきっかにして発症してしまうことが多いです。
月経困難症の治療について

月経困難症の治療法には次のようなものがあります。月経困難症に心当たりがある場合は、早めに病院で診察してもらうことを推奨します。
・ピル(経口避妊薬)プロスタグランジンを減らし、痛みを軽減
・鎮痛薬
・イブプロフェンや他の抗炎症薬などのプロスタグランジンを阻害する薬
・定期的な運動(過度な運動は控える)
・湯たんぽなどでを腹部を温める
・最初の数日、安静に過ごす
月経困難症の治療にホルモン治療でも有効なピルが使用されるケースもあります。ピルを服用することで体内のホルモンバランスを変化させ排卵を抑制します。排卵が起こらないため卵巣が休まり、子宮の収縮を軽減させることで、生理痛の緩和に繋がります。
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