ピルと性犯罪・性暴力には深い関係性があります。そして、【性犯罪・性暴力の実態と身を守るためにできること】で記載した通り、性暴力の身体的被害として【妊娠】があります。
もし性暴力にあって妊娠してしまったら。。。
仮に相手が交際相手だとしても、性暴力が行われている時点で女性の意思は無視されています。残念ながら、女性の身体や将来などについて相手が責任を取ることはありません。
ではどうしたら良いでしょうか。
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性犯罪とピルを使うことの関連性

性犯罪はあってはいけないことですが、現状は世界各国で起こっています。その時の対処法としてピルの服用があり、性犯罪・性暴力とピルとの関係性は非常に濃密です。
中絶手術は日帰りでできることが多いですが、心の傷は簡単には癒えません。
日本では性犯罪の被害にあった人の緊急避妊薬や人工妊娠中絶の費用などは、公費で出されます。そのためには警察に届けて手続きをする必要があります。
また、性暴力によって妊娠をし中絶手術を受けることで、被害者であるにもかかわらず罪悪感と恥ずかしさを感じる女性が多くいます。
ですから性暴行による望まない妊娠を避けるために、女性は自分で自身の身体を守る必要があります。
そこで重要な役割を果たすのが、ピル(経口避妊薬)。性交渉後にすぐ服用するアフターピル(緊急避妊薬)と、日常的に服用して避妊する一般的なピルがあります。アフターピルと一般的なピル(低用量ピル)の違いは別記事でご覧ください。
アフターピル(緊急避妊薬)は72時間以内に

緊急避妊薬であるアフターピル。女性ホルモンである卵胞ホルモンと黄体ホルモンが配合されており、避妊対策として用いられます。
アフターピルとは?
避妊無し、コンドームなどでの避妊に失敗した場合や望まない性行為、性暴力で妊娠へ脳案がある場合などに用いられるアフターピル(緊急避妊薬)。
性交渉後72時間以内の服用で妊娠を80%の確率で妨げる薬です。アフターピル(緊急避妊薬)はあくまでも緊急的に用いられるものなので、毎日服用するピル(経口避妊薬)とは区別されます。
イギリスでは高校で配られるなど、海外では薬局でも安価で市販されているため一般的によく使用されていますが、日本では薬局にも売っておらず、それほど知られていないのが現実です。
産婦人科で処方してもらうことができても、72時間以内という時間の制限があるため入手しにくい。。。というのが現実。海外の女性たちのように、いつでも使えるよう常備しておくことが良いでしょう。普段ピルを飲んでいても飲み忘れや、下痢によって薬剤が吸収されない場合などにも用いることができます。
【アフターピル(緊急避妊薬)の服用方法】
・性交後できるだけ早く、72時間以内にアフターピル(ノルレボ錠またはレボノルゲストレル錠1.5mg)を1錠服用する。72時間を超えた場合はすぐに効果が落ちるわけではないが、72時間が基本。早ければ早いほど高い効果が得られます。病院が休みのときも考えると常備しておくと安心です。
・一つの生理周期の中で2回以上使用することは生理周期を乱す可能性がある。
・副作用で吐き気が代表的です。食後に水かぬるま湯での服用をおすすめします。
自宅に常備!通販で購入できるアフターピルについてはこちらをご覧ください>>
【アフターピルの副作用】
・アフターピルの服用後、3.6%の人に吐き気があるが嘔吐はほとんどない。服用後2時間以内に嘔吐した場合はすぐにアフターピル1錠を追加して服用が必要。
(通販で購入する場合は予備を購入することをおすすめします。まとめ買いについてはこちらを参照してください。)
・アフターピル服用後、50%の女性の生理に数日前後のずれがあり、16%に生理とは無関係の出血がアフターピル服用7日以内にみられる。
【アフターピルの服用禁忌】
ピルは、ほとんどありませんがまれに血栓症になるリスクがあります。ピル服用の際は、ピルを飲んでいい体質かを調べるために、まずは医師の診断を受けることを推奨します。
・成分に対して過敏症が出たことがある
・重篤な肝障害がある(症状を悪化させる恐れがある)
・その他持病がある、薬を服用している
毎日のピルで望まない妊娠や中絶の不安を無くす
緊急避妊薬であるアフターピルとは違い、毎日のピルの服用によってほぼ100%避妊できる【低用量ピル】があります。
毎日服用する低用量ピルについて

一般的なピル(経口避妊薬)は毎日服用することによって、妊娠しにくい状態にする薬です。
緊急的なアフターピルとは違い、服用期間中はアフターピルより高い95%以上の確率で妊娠を阻止することができます。日ごろからピルを服用していれば、妊娠することに怯える必要はありません。もちろん将来的に妊娠を望む時は、服用をやめれば妊娠することが可能です。
ピル(経口避妊薬)は毎日の服用が必要ですが、ライフスタイルに合わせて時間を決められるので日常生活に取り入れやすいのがポイント。ピルの使用に慣れてくると、生理日のコントロールも可能です。生理での腹痛、頭痛や落ち込み、イライラなどのPMSを軽減したり、肌がきれいになるなど避妊以外のメリットも多く、ピルを使用する人は増えています。
低用量ピルの服用方法と副作用
【ピルの基本的な服用方法】
ピルにはいくつか種類がありますが、一般的に副作用が低く使用しやすい低用量ピルを例にお話しします。
・生理開始後5日以内に服用開始。
・初めの7日間はコンドームのなど他の避妊法も併用。
・毎日ほぼ同じ時間で服用する。
・[22日間連続で服用→7日間休薬]の繰り返し。
【ピルの副作用】
ほとんどが3か月以内に軽減されますが、ピル服用には副作用が伴う場合があります。
・吐き気、腹痛
・下腹部の痛み
・不正出血
【ピルの服用禁忌】
・35歳以上の喫煙者
・40歳以上
・家族に血栓症など既往歴がある
・持病がある
ピルと上手に付き合うことができれば、避妊はもちろん肌荒れやニキビの改善や生理不順の改善など、女性特有の悩みの解決にも繋がります。ピル服用に悩んでいる方は、まずは【ピルの基本知識】をご覧ください。